職人の一手間

こんにちわ。サルトリア シーラ 代表の平塚陽子です。
今日は、多くの人が出入りしてくださった1日でした。
生地屋さん・納品のお客さん・行政の方・・・
暑い中、皆様お越しいただき感謝ですね。ありがたく思います。
さて、今日は高級仕立てのジャケットの内側のお話です。
皆様、あまり注意深く見られたりはしないかもしれませんが実はたくさんの物語が詰まっているジャケットの内側。
その中の一つ、台場仕立てのご紹介です。
◾️台場仕立てとは?
昔々スーツは何度も繕いながら子の世代へと代々受け継がれていくもの。そんな時代からジャケットの内ポケットが傷んでしまったり、ダメになった時に取り替えられるように分離させてそのまわりを生地で囲う仕立てを用いてたと言われています。それが台場仕立てです。
今では、生地をたくさん使用するために高級な仕立てが台場仕立てになっています。
台場にも仕立て方が数種類(丸台場や剣先台場など)ありますが私がおすすめする台場は
【ツギ台場】と言うものになります。こちらは台場仕立ての発祥とも言われています。
前回のブログでお話しさせていただきましたように
シーラの仕立ては総毛芯仕立てです。総毛芯で仕立てることによってジャケットの前身に厚みを持たせます。
台場を用いることによってさらに重厚感はでますが、生地を多く使用することになるのお客様への負担が大きくなります。
そこでこのツギ台場
他の台場と比べて、使う生地の量も少なく少しでも軽く仕上げること、生地の生産国とブランド名の生地の耳と言われる部分を持ってきて
内側までオシャレに仕上げる縫製。美しいです。
「神は細部まで宿る」
多くの方は、今でこそ何着もお持ちのスーツですが、昔は「一張羅」と言われてたった一着のスーツを大切に着るしかなかったのです。
そんな時代だからこそこうして工夫を凝らして着ていたんですね。
そんな文化を今の時代にも残せるように・・・
職人の一手間に感謝です。
思いを形にした時のお客様の笑顔が私の活力です