2023.07.28フォーマル メンズスーツ

シーラのファーストスーツ

本日のテーマは「シーラのファーストスーツ」

 

◾️「シーラのファーストスーツ」とは?

まさしく、シーラでお作りいただく初めてのスーツのことです。

ただし、成人式のスーツのことをこれに名付けました。

20年このお仕事をさせていただいてるということは私が初めて成人式のスーツを採寸させていただいた

青年は40歳になられてるんですね。なんだか微笑ましく思います。

 

そして、変わらず毎年夏を過ぎると成人式のスーツを作りに来てくださいます。

そこには、いろんなエピソードがあるんです。

 

(ご家族でご来店していただいて、生地選びにたくさん悩んだね。この生地にして本当によかった!)

 

(30年代くらいのイギリスの渋いスーツの写真を見せてくれて、こんなスーツが良いって。再現できたよね。)

 

 

20歳。ほとんどの子が大学生です。うちはアスリートが多いかな。

最初、お店に入って来た時は少し緊張した様子。そらそうですよね。

20歳でオーダースーツなんて彼らにとったらかなり高い敷居を頑張って超えてお店に入って来てくれたと思います。

小さな生地見本(スワッチ)を見ながら、「全然わからん」

でしょうね(^^;;  生地見本を一緒に見ながら 色・柄・素材の説明をすると

きっと頭の中をフル回転にしてスーツ姿のお父さんや、モデルなどをイメージしてくれているんでしょうね。

私の方でも、できる限りイメージを共有できるようにサンプルやピンタレストで集めておいた画像を見せながら自分が作りたいスーツを想像してもらいます。

やっぱり、大体がイタリア人のちょっと洒落たモデルを見て「あ。このなんがいい・・」と段々と前のめりに。

 

「素敵なスーツをありがとうございました。スーツが好きになりました。」ってラインをくれて

その後、靴もベルトもこだわって買いに行ってたね。お洒落だな。

 

珍しく、袴ではなくスーツ姿で成人式を迎えた女性。ハリウッド女優の写真を見せてくれてギリギリまで

ピタピタのサイズの仕上げました。喜んでくれて嬉しかった!

 

さて、次に採寸です。きっと最後に採寸したのは中学3年の時に入学が決まった高校の制服の採寸ではないでしょうか?

今までスポーツをして来た子は、スポーツによって発達している筋肉の箇所が違います。

シーラではゲージ服(体に合わせた見本のスーツ)を着ると一目瞭然。何のスポーツをしているかも見抜かせていただいてます。時折、ポジションも体型に出るのでわかります。

 

そして、採寸をしながら私にとって特別な時間が始まります。

スーツのルーツや、細かいディティールの意味・由来。お手入れの仕方。正しい着方。どう見えるのがかっこいいか。

大人になると言うことは。ご両親にここまで育てていただいたこと。

など少しの時間ですが、彼らのご両親になり変わって話をしながらメジャーをあてていきます。

 

彼らは私の言うことをちゃんと聞いてくれます。もちろん私も彼らの話を聞かせていただきながら。

最後はボタンと裏地を決めて終わりますが、その時には彼らのテンションもマックスになり

「めっちゃたのしみやわ。絶対格好いいのできますよね!」

「ありがとうございました!」と満面の笑みで帰っていきます。

後日、ネクタイやシャツを買いに出かけた時は「これどう思いますか?」と私を頼ってネクタイの柄やシャツのデザインの写真を送ってきて

相談をしてくれます。

これが「シーラのファーストスーツ」なんです。

 

(幼馴染と一緒に。シーラのスタッフの息子さんです。小さかったサッカー少年がこんなに背が高くなって

立派なお兄さんになっていて。小さい時を思い出しながら採寸させていただきました。)

 

 

 

そして成人式の当日には、ほとんどの子が

「素敵なスーツを作ってくださってありがとうございました」と写真付きで私にLINEを送って来てくれます。

この子達、なんて良い子なんだろ。そして私の仕事ってなんていい仕事なんだろって思う瞬間なんですよね。

大学生の彼らは将来、どんな仕事に就くかはまだわかりません。

もしかしたらスーツを着ない仕事の子も多くいるでしょう。

そうは言っても友人の結婚式や、パーティ。結婚の申し込みの時の挨拶の時など、何度か訪れるスーツ着用の機会。

そんな時に少しでも私が採寸をしながら耳元で囁いたスーツの着こなし方を思い出して欲しいです。

 

「二つボタンの下のボタンはしめたらあかんよ」「腰パンはやめてね」「シャツがスーツの袖より大幅に出ないようにしてね」

 

今年も始まります。

「シーラのファーストスーツ」

受付期間 8月20日〜10月20日まで Sartoria Siraにて。

 

品格の漂うものを持つことは「自分磨き」のひとつ なぜなら「この品に見合う自分でいよう」という意識が高まるから

 

 

 

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